Case導入事例
バラバラのデータは既存のDXツールでは管理しきれなかった… エレクトロニクス商社ネクスティ エレクトロニクスは「在庫データ 見える化」の壁をどう崩したか
豊田通商グループのエレクトロニクス商社ネクスティ エレクトロニクスは、2023年12月からAutoDateを活用して在庫データの全体像を「見える化」し、在庫管理の高度化に役立てています。「ほかに選択肢がなかった」という同社が、AutoDateを選んだ決め手は何だったのか、ネクスティ エレクトロニクスのデバイスソリューションカンパニー SCMユニット 副ユニット長、小林秀雄さんに聞きました。
[サマリ]バラバラのデータをAutoDateで標準化し、「見える化」を実現
【導入背景】
複雑なエクセルによる在庫管理を「見える化」したい
・取り扱いトップメーカーの半導体製品について、売買情報を管理するエクセルファイルが複雑化、全体像を把握するのが難しかった
・「見える化」の要請が強かったが、フォーマットが複雑すぎて既存のBIツールが使えなかった
・現状のエクセル管理を変えることなく、①さまざまな形のデータを取り込める、②自動で取り込みきれない部分はマニュアルで穴埋めできる、というAutoDateの特徴を活用することで抱えていた課題を解決できることがわかり、導入を検討
・開発の初期費用が小さく、試しやすい料金体系で、導入のハードルが低かったことが決め手となり導入を決定
【活用方法】
エレクトロニクス商社にとっての生命線である在庫管理のために不可欠な情報源に
・毎月、担当者が入力しているエクセルの適切な場所から、AutoDateでデータを収集しデータベース化。それをもとに「見える化」をしてレポートを作成
・在庫管理担当者がAutoDateのレポートを見ながら在庫分析を進め適切な在庫レベルへの最適化を図っているほか、半導体メーカーとの定例会議でも活用中
【導入後の変化】
問題点のドリルダウンが可能になり、対策が取りやすくなった
・在庫管理上の問題点を迅速にドリルダウンして把握できるようになった
・過去からの推移やトレンドを見ることができるようになり、より精度の高い見通しを立てることができるようになった
・半導体メーカーとの定例会議でも活用。メッシュの細かい分析を加えて報告できるようになり、高く評価されている
[事業紹介]株式会社ネクスティ エレクトロニクス
外資系半導体を多く取扱うエレクトロニクス商社。豊通エレクトロニクスとトーメンエレクトロニクスが2017年に合併して設立しました。自動車向け事業の比率が高いが、生産、開発、設計向けソリューションに業務範囲を拡大してているほか、AIを始めとした先端技術などにも領域を広げている。
※WEBサイト:https://www.nexty-ele.com/
[導入背景]複雑なエクセルによる在庫情報を「見える化」したい
—— 数値管理の、何に課題を抱えていたのでしょうか。
小林: 当社のビジネスの中では外資系半導体の取扱いが多く、半導体メーカーごとに営業部門が分かれています。多数のお客さまから受注をいただいているので、それを合算して受注見通しを立て、半導体メーカーに先行発注しながら日々のビジネスを行っています。
当社で最も取扱い量が多い半導体メーカーを担当する営業部門では、こうした受注状況を複数のエクセルで管理しているのですが、それが非常に膨大で重たいファイルになってきています。取扱う半導体商品は品番やバージョンが非常に多く、また、営業に必要なさまざまな情報が盛り込まれていて、とても複雑です。
しかし、近年はビジネスにスピードや精度が求められるようになっており、「データが勝負」という時代になっています。これらのデータをもっと「見える化」し、より高度な分析に活かしたいというニーズは、3、4年くらい前からあがっていました。
最近では、社内のニーズに加え、半導体メーカーからも強く求められていたので、とにかく何らかの形で早く実現しなくてはならないという状況でした。
—— AutoDate以外の方法を検討されたことはありますか。
小林: 世の中には、分析や見える化のためのBI(ビジネス・インテリジェンス)ツールはたくさんありますが、どれも、粒度をそろえて標準化されたデータベースがあることが前提になっています。私たちの場合は、既存のデータのフォーマットをきれいに標準化してデータベース化するところが大きな壁になっていました。マクロを組むなどして、自力でトライしたことはあるのですが、うまくいきませんでした。
もちろん、潤沢なリソースがあれば不可能ではないと思いますが、その実現に掛かる時間が膨大になることが想定されました。
そんな折にMarsdyのAutoDateを知り、「これなら何とかなるのではないか」と思ったのです。
—— AutoDateのどこに可能性を感じたのでしょうか。
小林: 現状のエクセル管理を変えることなく、さまざまな形式のデータを取り込むことに対応できるところです。そして、自動の取り込みでは対応しきれない“すき間”のような部分も、人手で穴埋めしてもらえるです。この2つが、私たちの抱えていた課題にぴったりはまると思いました。
—— Marsdyは比較的新しいベンチャー企業ですし、御社で利用されるのも初めてです。不安はありませんでしたか。
小林: 今だから言えますが(笑)、まったくないわけではありませんでした。ただ、導入に向け武藤社長とのやり取りを続ける中で、「これならお任せできそうだ」という信頼感が出てきました。昨年(2023年)10月にかなりの額の資金調達をされたのも安心材料になりました。
料金体系も決め手の一つになりました。通常、こうしたサービスの導入は、開発の初期費用がかなり大きいのですが、AutoDateの場合は料金体系がそれらと異なり、導入へのハードルが低かったのです。
[活用方法]エレクトロニクス商社にとっての生命線である、在庫管理のために不可欠な情報源に
—— 導入はどのように進められましたか。
小林: とにかく複雑なデータなので、かなり大がかりでした。まずは、元のエクセルファイルを全部お渡しして、データ構成や内容、どの項目をどのように抽出したいか、などについて伝え、やり方を検討してもらいました。
それから実際にデータベースを作ってもらい、こちらの要求通りのものになっているか、誤りはないか、などを確認したのですが、これが大変でした。数字の整合性も確認しなくてはならないのですが、そもそも照らし合わせるべき「答え」の数字が存在しないので、手計算でデータベースの数字を確認しました。
その後でやっと、データベースをダッシュボードに投入し、見え方や抽出条件の調整をしました。
—— 今は、どのように活用されているのでしょうか。
小林: 毎月、AutoDateでは、当社の担当者が入力しているエクセルの適切な場所から元データを引っ張ってきてデータベース化し、それをもとにダッシュボードで見える化をしてもらっています。
在庫管理担当者がそれを見ながら、在庫の分析と適正化を図っています。無駄な在庫を多く抱えているとバランスシートやキャッシュフローの悪化につながりますし、在庫が少なすぎると欠品が生じてお客さまへの納入にご迷惑をお掛けすることになります。商社にとって、在庫管理の最適化は非常にクリティカルですが、そのための分析に活用しています。
半導体メーカーに対しても、より詳細で精度が高いレポートを提出できるようになりました。
[導入後の変化]問題点のドリルダウンが可能になり、対策が取りやすくなった
—— 在庫の情報が「見える化」できたことで、具体的にはどんなメリットが生まれていますか。
小林: 例えば、これまでも、財布の中にいくら入っているかはわかっていたのですが、1万円札が1枚なのか、5000円札が2枚なのかまではすぐにわからず、それを知るために中身を逐一確認する必要がありました。それが今では、1000円札が何枚、500円玉が何枚、100円玉が何枚……というレベルまで、簡単に把握できるようになった、といったイメージです。
「ここはなぜこのような数字になっているのか」「このあたりに問題がありそうだ」という課題部分を即座に把握できるようになっただけでなく、その中身や詳細を、すぐにドリルダウンできるようになりました。我々在庫担当から営業担当に確認する回数も激減しました。
―― 詳細な分析が可能になったことで、在庫管理はどのように変わりましたか。
小林: 詳しい分析ができるようになると、問題の把握がピンポイントかつ明確になります。「だいたいこのあたりに問題がありそうだ」ということではなく、具体的に「ここが問題だ」というところまでわかるようになります。
さらに、時系列の分析もできるようになったので、現在の状況だけでなく、過去からの推移やトレンドが把握できますし、今後の見通しも立てやすくなりました。
―― 半導体メーカーへのレポートにも活用されているとのころですが、そこはどのように変わりましたか。
小林: きちんとレポートができるようになったことはとても良かったです。特に、四半期に1度、先方のトップ層とミーティングを行っているのですが、そこでメッシュの細かい分析を加えた報告ができるようになったことは高く評価されています。
これまでは、営業担当者が概略的な数字を使って説明していたのですが、AutoDateを導入したことで、精度の高い数字をもとに、お客さまごとや製品群ごとに分析をし、わかりやすくビジュアル化したグラフで説明できるようになりました。
―― 今後はどのように活用したいと考えていますか。
小林: 今は当社の在庫管理者だけがこのダッシュボードを使っていますが、早急に営業部門のマネージャーや担当者まで活用できるようにしたいです。同じ情報でも営業担当者が見れば、在庫管理者とは違う目線で活用できるのではないかと考えています。どこに無駄な在庫があるかを即座に把握できれば便利でしょうし、営業活動で課題を見つけたり、分析したりすることもできるはずです。
[導入検討中の方へ]「散在するバラバラなデータがDXや『見える化』の壁になっている」という企業に一つの解決策をもたらしてくれる
—— AutoDateの強みは、どのようなところにあると感じていますか。
小林: 元データがきれいに整っていれば、「見える化」することはそれほど難しくありません。しかし、おそらく多くの企業にとってDXやデータの見える化を進めるためのの障壁となっているのは、当社がそうであったように、元データがバラバラでそろっていない、もしくはデータベースが存在していないという点だと思います。AutoDateは、そこに解決策をもたらしてくれます。いろいろなシステムから、異なるフォーマットのデータを集めてデータベースを作るといった、複雑な対応が可能であることこそがAutoDateの大きな強みです。
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最後までご覧いただきありがとうございました。
大量の在庫を余らせず、また枯渇させることもなく、適切な状態で管理する必要があるという商社。扱う商品が増えれば増えるほど、その管理は困難なものとなります。
その複雑な在庫管理状況をネクスティ エレクトロニクスさんは、AutoDateの機械と人のオペレーションを組み合わせたシステムによって解決しました。
会社の状況が違うからこそ、データの形が違うのがDXの難しいところです。同じような課題で悩まれている方はぜひ一度、AutoDateまでご相談ください。