Case導入事例

マジェスティ ゴルフ株式会社

「営業担当者が、営業に注力できる環境を作りたい」老舗高級ゴルフブランド、マジェスティ ゴルフのITディレクターが選んだ売上情報「見える化」の秘策

 老舗の高級ゴルフ用品メーカー、マジェスティ ゴルフは、2021年にAutoDateを導入し、経営や業務に欠かせない数値情報の「見える化」をアウトソースしています。それまで、営業部門の担当者が毎日手作業でおこなっていた集計作業を減らしたことで、工数を削減し、属人的な業務を減らすことに成功しました。

「情報システム部門のマネジャーの役割は、こうした単純作業をそぎ落とし、本来の業務に注力してもらうことと話す、ITディレクター 菊川慎一さんに、AutoDate導入の背景や活用方法について聞きました。

[サマリ]RPAだけでは対応できない売上情報の集計業務を、最小限の労力でアウトソース

【導入背景】
情報システム部門への要求が高度化する中、単純作業をどうそぎ落とすか

・以前は営業部門の担当者が毎日手作業でデータを加工し、前日の売り上げ情報を配信していた
・情報システム部門への要求が高度化。経営や業務に必要な数字を「見える化」する作業をアウトソースする必要に迫られた
・一方、複数のシステムにまたがる業務は、RPAだけで自動化することには限界が。導入の労力もできるだけかけたくなかった

【活用方法】
Zoomの録画で業務整理はお任せ。最小限の労力で導入できた

・Zoomで業務を見てもらい、操作の解読や整理はAutoDateに任せ、2カ月弱という短期間で、最小限の労力で導入できた。
・営業部門で出てきた数字を集計して売上情報にして配信するという一連の作業を、アウトソースできた。

【導入後の変化】
情報は、資産。受け取った人の行動を変える

・それまで集計や配信を行っていた担当者は、より営業活動に直結する仕事に注力できるようになった。
・商品、入荷、製造情報など、ほかにも求められる情報はたくさんあるので、同じプッシュ型の仕組みを応用したい。作業の手間を削減するという効率化だけでなく、社内情報の浸透という経営面での可能性も感じている。

[事業紹介]マジェスティ ゴルフ株式会社

マジェスティ ゴルフ株式会社

1971年創立の老舗ゴルフ用品メーカー。MAJESTY PRESTIGIOシリーズなどの高級ゴルフクラブを展開し、根強いファンを持つ。日本だけでなく、中国、韓国、台湾、アメリカなどグローバルでも人気を集めている。
※WEBサイト:https://www.majesty-golf.com/jp/

お話を伺った担当者
マジェスティ ゴルフ ITディレクター 菊川慎一さん
マジェスティ ゴルフ ITディレクター
菊川慎一さん

[導入背景]情報システム部門への要求が高度化する中、単純作業をどうそぎ落とすか

—— AutoDateを導入されているお客さまは、もともと日々の数値の「見える化」で苦労をされていた企業が大半です。御社ではいかがでしたか。

菊川: 私たちもそうでした。どこの企業もそうですが、情報システム部門に対する経営層からの要求は日々高度化していて、企画力やマーケティング力が求められることが増えてきています。昔のように、事業部門からの依頼に対応するだけといった「下請け」的な業務だけでは、立ち行かなくなっています。

マジェスティ ゴルフ株式会社

結局、社内ですべて対応する「内製化」か、外部に「アウトソース」するかの二択です。しかし、大企業は比較的リソースがあるので内製化が可能ですが、我々のような中小規模の会社では難しいので、アウトソースをいかに活用するかにかかっています。情報システム部門のマネジャーの役割は、そうしたアウトソース先ベンダーの選択をする「目利き」が重要だといえます。欧米でも同様に、自身でベンダー、新サービスを開拓することが情報システム部門長の重要な役割と聞きます。

単純な事務作業をできるだけアウトソースしてそぎ落とし、限られたリソースを企画力やマーケティング力が求められる仕事に注力する必要があります。そうした、アウトソースすべき事務作業の典型が、経営や業務に必要な数字を「見える化」するための作業です。

—— マジェスティ ゴルフでは、具体的にどういった作業がありましたか。

菊川: ある営業部門の担当者が毎朝、始業前に出社して、20~30分かけて前日の売り上げデータを加工し、全社員にメールで送っていたのです。有給はとれないようでした。

私は3年ほど前にマジェスティ ゴルフに入社したのですが、こうした作業を何とかしなくてはと考えて、半年くらい経った頃にネットで探しあててAutoDateにたどり着きました。

—— どのように探したのですか。

菊川: 普通に「RPA 自動化」「業務 自動化」などと検索をかけました。

—— RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション:ソフトウェアロボットによる業務自動化システム)にも関心があったのですか。

菊川: やりたいことはRPAではあったのですが、前職でRPA導入の経験があって、難しさは痛感していました。業務は、さまざまなシステムにまたがっておこなわれるのですが、データを連携する必要があるため、RPAでは複数のシステムを簡単につなげることができず、非常に手間がかかります。結局、Excelのマクロを構築することになったりして、作業の属人化が改善されず、プロセスの改善ができないことも多いのです。手間や工賃がかかるうえに、自由度も低く、RPAだけで対応するのは、現実的ではないと思っていました。

また、業務の自動化を図るためにはまず、普段、それぞれの担当者がどんな操作をしているかを解読する必要があり、それに膨大な手間と時間がかかります。

AutoDateは、そうした労力が非常に少なくて済み、かつ、システムをつなぐ部分もしっかり対応してくれるうえに自由度も高い。問い合わせをしてから2カ月も経たないうちに導入することができました。

[活用方法]Zoomの録画で業務整理はお任せ。最小限の労力で導入できた

—— 導入の労力が少なくて済むところも決め手だったとのことですが、もう少し詳しく導入プロセスを教えていただけますか。

菊川: 「今はこんな作業をしています」というのをZoomで見てもらいながらAutoDateにヒアリングをしてもらいました。それからAutoDateでは、その模様の録画を見ながら業務を整理し、仕組みを設計してくれました。

システムをつないでデータを連携させれば、業務が向上するのは確かなのですが、そこを自社でやろうとするとかなりのお金と時間がかかります。AutoDateは、幹となる部分はRPAを入れて自動化し、それ以外については担当の方が作業をしてくれるので自由度も高い。

お陰で2年半ほど前からは、営業部門で出てきた数字を集計し、売り上げ情報として全社にメール配信するという一連の作業を、アウトソースできるようになりました。

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[導入後の変化]情報は、資産。受け取った人の行動を変える

—— アウトソースによる効果はどのように感じていますか。

菊川: なかなか表面には表れにくいかもしれませんが、大きいと思います。

さきほど触れた、「有休が取れない」営業部門の担当者の作業ですが、大変なのはその人だけなので、「本来そぎ落とすべき作業だ」ということが、なかなかほかの人にはわかりません。本人も、「20分~30分程度のことだし」と、深刻に考えません。

しかし、1日20分でも、1年間に換算し、時間給を掛けると、かなりの金額になります。それに、本来これは、営業部門の人がやるべき業務ではありません。「営業関係の数字だから」と営業部門でやってしまいがちですが、本来営業担当者は、営業活動に時間をかけてほしいと思っています。

例えば、以前は個々の営業担当者がシステムにログインして、毎日商品の在庫データを見に行っていました。それが、自分で探しに行かなくても情報が手元に届くようになりました。すると、営業の人数×時給×10分×1年間の勤務日数という、かなりのコスト削減になります。なかなか気付きにくい視点かもしれませんが、経営上のインパクトは非常に大きいのです。

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そして、似たような業務はほかにも社内にたくさんありますから、同じような情報の自動配信は、いろんな仕組みに応用できます。

―― 今後、ほかにはどんな展開を考えていますか。

菊川: 社員が知りたい情報はいろいろあります。ところが、重要で必要な情報だけれど、調べるのに手間がかかるとなると、なかなか見なくなってしまう。

商品情報、入荷情報、工場での製造情報もそうです。しかし、それぞれシステムが別になっているので、業務で必要になっても、ログイン権限を持っていないなどですぐには見ることができないことが多い。ライセンス費用の問題もあって、誰もがアクセスできるわけではありませんから。

BIツール(社内のデータを集約・分析し可視化するソフトウェア)の構築も費用や手間がかかりますし、作ったとしても「見るべき人がBIツールに見に行かない」という問題が必ずついて回ります。AutoDateを使って全社配信するのであれば、プッシュ型なので受け手は楽ですし、仕組み作りもずっと効率的です。

情報は、受け取った人の行動を変えます。私は以前、小売業界にもいたことがあるのですが、各店舗の販売員に売り上げ情報の認識をしてもらうことで、もっと日々の販売業務に対して危機意識をもってほしいと考えたことがあります。システムはあって、ログインすれば見ることはできるのですが、忙しいので、本社が「毎日確認してください」と言うだけではアクセスして情報を見たりはしません。プッシュ型で、前日の売り上げ情報をメール配信するようにしたところ、販売員の行動が変わっていきました。

日々の数値の「見える化」をアウトソースし、効率化することは、作業の手間を削減するだけに留まらない、経営戦略面でも大きな可能性があると感じています。

[導入検討中の方へ]そぎ落とすべき作業は社内にたくさんあり、あらゆる業種で役立つ

—— 日々の数値の「見える化」にAutoDateの導入を検討している、ほかの会社の方に向けたメッセージはありますか。

菊川: 私は小売業や製造業など、さまざまな業種の企業の情報システム部門の経験がありますが、あらゆる業種で役立つと思います。店舗でも、工場でも、本支社内でも、同じ悩みを抱えていて、本当は情報の取得や加工に時間をかけたくはないはずです。そんな時間があれば、少しでも接客をして商品やサービスを売りたい、良い製品を作りたいと考えているのではないでしょうか。

こうした、そぎ落とすべき作業は、社内にたくさん転がっているけれど、やっている本人も部署も気づいていないことが多いのです。そこに切り込むのが、情報システム部門のミッションであって、社内の業務改革であるといえます。こうした課題解決に対して、アウトソースサービスのAutoDateはぴったりだと思います。

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最後までご覧いただきありがとうございました。

ご担当の菊川さんはRPA導入のご経験があったからこそ、その実装の難しさを肌で感じられていたそうです。

企業ごとに取りたい数値や情報、体制、業務内容が違うため、ツールだけではどうしても解決しない。数値の「見える化」が各企業で進まない要因はまさにここにあります。

そんな企業ごとの違いを、AutoDateは実際に業務を見せていただくことで課題をあぶりだし、仕組みにしていきます。同じような課題で悩まれている方はぜひ一度、AutoDateまでご相談ください。

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